市民プール廃止撤回の請願について
市議会議員になり2回目の議会、9月定例会が閉会しました。
まだまだついていくのに必死です。
後援会、支援者のみなさんには『1期4年は期待してないからまぁこれから勉強だな!』と言われたのが当時悔しくも恥ずかしくもありましたが、今思えば真をついたありがたい言葉でした。本当にどれだけ勉強しても全く追いつかず時間が足りません。
さて、今回ブログを書く事になったのは議会閉会後にいただいた意見がもととなります。日々の仕事に追われの放置ブログですみません。毎日書きたいことは山ほどあるのだけど。
改めて本題ですが、豊川市では今年の9月1日で市民プールの営業が終了しました。
再び9月定例会で『市民プール廃止撤回の請願』が出されましたが、子育てをする母親議員の私が“不採択”とした事に関する疑問、意見がありました。
・なぜ加藤は(廃止の撤回の)不採択を選んだのか?
・市民プールがなくなる事に賛成なのか?
・母親議員なのに子供達の意見を無視するのか?
・議員になって日和(ひよ)ったんじゃないのか?(←これは想像)
そうですよね。何も言わなければ当然私の意思がないと思われても仕方ありません。
でも私は自分の意思でこの不採択を選びました。
何故そう決断したのか悩んだ経緯も含めちょっと長い話になりますが気になる方は読んでみてくださいね。
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市民プールの廃止。これは(当時議員でなかった)去年の夏知りました。
毎年うちも家族で行きますし、こどもたちも友達同士で行ったりと、かなり身近な施設であっただけに残念な気持ちでした。
あぁ、議員に挑戦する前に決まっちゃったんだなぁ、私だって意見言いたかったのに。と思った事も事実です。
そして今年の春いよいよ市議会議員という立場になり、数々の議案の中、市民プールが廃止される理由と詳細も知らされました。
・もともとの市民プールの存在意義(50年前は学校のプールがなかった事)
・利用者が年々減少していること
・新設存続の場合、莫大な建設費用や改修費用がかかること
・維持管理費がかさむ施設であること
など、平成28年3月の委員会から議論が始まり3年半、当然私が知らない間も今まで多くの議員が存続できないのか質疑し何度も検討されてきた問題でした。
まずお金の面での問題ですが、ほとんどの公共施設は驚くほど赤字経営で成り立っています。これは議員になって初めて知りました・・・豊川市だけの話ではなく全国どこの自治体も同じで、公共施設を減らす方向でどの自治体も健全な運営にしようと頑張っています。
豊川市も財政状況の改善のためにいくつかの公共施設を調査する中、50年もの長い間の営業で老朽化し維持費修繕費がかさむ市民プールが検討に上がり、議論された上で廃止の決定となりました。
そして今回、廃止撤回の請願が出されました。こどもたちの署名とともに。
存続が無理でも新設はどうなのか?市民の声は聞いていないのか?まずは廃止を撤回してほしい!という請願です。
では、市民プールを建てるのにいくらかかるんでしょう?
近隣の市の人気屋内プール、西尾市のホワイトウェイブ21は建設に42億円、安城のマーメイドパレスは27億円、豊橋市のアクアリーナはスケートリンクも兼ねているため59億円というもの!
気が遠くなるようなこの金額は当然税金(基金などと呼ばれる市の貯金)があてられます。地方自治体ではお金を刷ることはできません。
そしてその税金をこれから納めていくのはこどもたちです。
そして建てた後も、先ほど書いた通り赤字経営ですので、利用料で賄えない維持費、修繕費ももちろん毎年税金で払っていかなければいけません。
維持管理は年間通して必要ですが、実際のプール施設の利用の稼働率は決して高いものではないことも想像できます。(7、8月の2ヶ月利用など)
そして先のような財政状況がある程度豊かな自治体で運営しているものと同じような施設が本当に豊川市に必要なのか、また可能なのか、私自身疑問に感じ始めました。
少し遠出をすればそれらの施設は市民でなくても楽しめます。こどもたちも市内市外問わずどのプールでも喜んでいます。それでもなお、豊川市の税金を投入して市内に建設するべきなのか。
そして市民の声は聞かずに決めたのでしょうか?
私が今回判断した一番大きな理由。それは“利用者の減少”です。
建設費や維持費がかかっても、多くの市民が使い恩恵を受ける施設である限りは私も必要であると思っています。
今年、正式に9月1日をもって営業終了と報道された中、子供たち、ママさんたちの間でも話題に多く上がりました。
その中で今年度の利用人数が増えるのであれば、市民プール新設の検討の余地もあるのではないかと考えました。でも残念ながら予想に反して昨年度と比較して3割も減少、19470人の利用という結果で幕を閉じることとなりました。
この数値データを見て、市民の声と利用者の人数は同義と感じてしまいました。利用者が多ければ財政状況は圧迫しますが、市でもニーズのあるものを廃止にはできません。
必要だと思う!だけどそんなに行かないかな?では意味のない施設になってしまいます。
作ったけれど利用されない施設、また運営が成り立っていかない施設でも建てる以上、市は運営していかなければいけません。人口の減少やこれから豊川市への国の地方交付税は10億円ほど減少する中(旧4町合併の際の交付税等がなくなります)市は財政維持するために様々な削減を行っていかなければいけません。
また、財政のお話も少し具体的にするため、今回の定例会で行われた決算特別委員会(3日間7時間以上缶詰で議論!)のお話も少し。
豊川市の627億円の支出、一円単位まで使用用途が記載された決算書を、30人の全議員がチェックします。
家計簿もろくにつけられない私ですが、無駄がないか400ページ以上ある決算書や報告書など膨大な資料を何度もめくりました。
しかし見えてきたものは無駄どころではなく必要なものばかりです。
例えば、子育て、障害者支援や保育園など介護も含めた福祉事業に258億円
予防接種、保健費などの13億円や、小中学校教育に61億円など、母親として関心を持つ項目でも、実に支出の半分以上が子供たちや高齢者など福祉に当てられています。
それに加え、文化教育や公園整備もこどもたちへの投資とも言えますし、その他、ゴミ処理や防災費、道路整備も必要不可欠、また農業や商工など就労に関しても手厚く守っていかなければいけません。
どれかを削ればどこかで生活に困窮する人がでるかもしれない、大きな責任を伴う質疑。
行政はまず命や安全を守り、市民の生活を保障した上ではじめて、豊かな生活となる学びや遊びに向けて予算が組まれていきます。あれもこれも、は難しいんですね。
財政調整基金(用途の決まっていない市の貯金)も90億ほど決算書にありましたがそのうち77億円は市の安定的な財政のためにキープしておかなければいけません。説明が難しいんですが。
(ちょっとのつもりの決算の話、長くなるな・・・)
話を戻しますね。
うちの子供達も泳ぐの大好きなので夏になればもちろん市民プールも行きますし、民間運営のスライダーや遊具など充実したプールや海へも行きます。泳げる場所がどこであっても喜んで一日中ふやけるまで遊んでいます。子供にとっては入場料御構い無しですからね・・・
家計を考える身として子供が無料で利用できる、自分たちで行ける市民プールが存続できない残念な思いはもちろんありますし、プールあればほしい!というのは誰もが同じだと思っています。
では、これからさらに高い利用料(税金)を払ってでも市民プールに行きたい人がどれだけいるのか。これも自分の周りの母親にヒアリングしたところ、んー行かないかな!(笑)という意見が多く聞かれました。
財源が減る中、子供達に市民プールの借金を背負わせても建設することが子供達の本当の願いなのか、悩み考えた上で、母親として、議員として、30分の1の意見ですが不採択を選びました。
“こどもがわらうとせかいがわらう“についても意見がありましたが、紛れもない私の言葉であり、信条です。これからも変わることはありません。
未熟ですが、一人の母親として議会に挑んでいることも充分に責任を感じています。
これまでの議会での発言も、産み育てる母親への支援、また子供の未来への学びについて自分なりに問題だと思うことに挑んできました。(リンクで動画へ飛びます)
また同じ親という立場であっても意見の異なることもあります。当然、こどもたちを思う愛の形も表現もみんなそれぞれ違います。どれも否定などできません。
そしてそのこどもたちも、私たち親や大人の思いとは全く違う人生を歩んでいくこともあります。こどもの願いや未来を推し量ることも本当に難しいと感じますし、日々学ばされながら子育てしています。
私は母親としても、議員としても、必ずしも正しい意見を出せているとは思いません。むしろダメすぎて悩むことの方が圧倒的に多いです。
それでも、確かに、自分で考え判断し、挑んでいます。その判断に悔いを残さぬように最後まで考え決断しています。
これからまだ考察を重ね、知識を増やし、判断に自信の持てる議員になる、それが自分の立場での責任であると思っています。
やっぱり長くなってしまいました・・・が、それでも書ききれないもんですね。
ここまで飽きずに読んでいただいた方いましたら本当に嬉しいです。
今回はちょっと真面目に書きましたが、また他愛ないブログちゃんとこれからも続けられるようにします。ありがとうございました。
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